Akihito Ikeda

電子投票/インターネット投票/買収・脅迫/レシートフリー

posts/2021-08-02diary

電子投票とかインターネット投票について少し調べた。インターネット投票をやろうとするときに問題になる買収・脅迫への対策ってどんなのがあるのというのが気になったのがきっかけ。そもそも「電子投票」と「インターネット投票」は区別されるということすらちゃんと知らなかった…。

買収・脅迫への対策だと、現時点では「選挙期間中に何度でも投票し直せるようにする」というのが今のところ現実的な緩和策であるっぽい(解決策ではない)。 つまり「後ろで監視されてる状態で本人の意思とは異なる投票を強制される」という脅迫には、監視が外れたあとで投票し直すことで対策する。 買収に対しては「とりあえずXに投票したと申告していたけど(またはそうするのを監視していたけど)、後から投票し直すかもしれない」という可能性があることで買収側のインセンティブを下げる効果がある。この「再投票」は実際にエストニアで導入されているらしい。

ここまでは何となく知ってて、今回新しく知ったのは「レシートフリー」という概念。 ざっくりいうと「投票者が投票内容に関する証拠(レシート)を提出できなければ、買収や脅迫が起きづらくなる」というもので、無証拠性とか呼ばれたりもする。自由意志による投票ができることを表すものでもあるっぽい。 「買収・脅迫したはいいけど本当にリクエスト通りに投票したのか?」を買収側が確認することができないことでインセンティブを下げる効果がある。そもそも買収された側(投票者)が出そうと思っても証拠を出せない、というのが肝?。今の物理的な投票ブースにはレシートフリー性があるということになってる。

物理的投票ブースに備わるレシートフリー性を電子投票/インターネット投票でどのように実現するかいろんな研究がされているみたいだった。エストニアでも取り入れられてる「再投票可能」はそのひとつの対処法であると。

電子投票/インターネット投票にはもちろんこれ以外にもたくさんの解決しないといけない課題がある。なりすまし防止・二重投票禁止・秘密投票(投票者の匿名性, 投票途中結果の秘匿性)・インクルージョン(ITリテラシが低くても使えるか)・運用コストなど。やっぱ簡単に「電子投票/インターネット投票やったらいいじゃん」とは言えないんだなあ。

読んだもの

全部はちゃんと読めてないけど見つけて参考にしたもの。

© Akihito Ikeda - Last update 04.03.2024 00:58.