Akihito Ikeda

ふたりのWebエンジニアが奮い立ったり、易きに流れたり、渇いたりした記録

posts/2021-12-16diary

このポストは GMOペパボエンジニア Advent Calendar 2021 の16日目の記事です。

昨日は @tommy6073 さんの 初めてのGo製CLIツール作成、初めてのOSS公開に込められた物語 でした。

とてもいい物語でしたね。業務の課題を解決するツールを作ってOSSとして公開し、フィードバックを受けて学んでいくという理想的な流れでした。ぼくも見習って ikalabel 作ります。


GMOペパボCTO室鹿児島エンジニアリングチームに所属している @akht と言います。

昨日の@tommy6073さんの記事の最後にもありましたが、ぼくと@tommy6073さんは「team”渇き”」として今年のISUCON11に参加しました。ISUCONに参加する以外にも1年くらい2人でいろんなことをやったのでそのことについて書きます。

読みやすさや得るものがあるかはほとんど考えていません。ふたりのWebエンジニアが奮い立ったり、易きに流れたり、渇いたりした記録です。 以後は@tommy6073さんのことは”トミーさん”と書きます。

はじまり

2020年も終わりを迎える頃、n回目の「Kubernetes勉強したいな〜」を経てぼくはいよいよ本腰を入れてKubernetesを学習しようとしていた。教材を調べる中でUdemyの講座が目にとまった。Udemyではしょっちゅうセールをやっていてちょうどそのタイミングだった(余談ですがこのUdemyのセール商法ちょっとあれですよね)。まんまとセールに釣られて評判が良さそうな2つを購入。

さて、はじめてみたははいいものの、正直一人ではやりきる自信がなかった。そこでトミーさんに一緒にやりませんかと声をかけてみた。トミーさんとは同僚として日頃から関わりがあるし、一緒に読書会もやっているし、歳や技術領域もだいたい似た感じで、しかも経歴も親近感があったりして、そういえば初めての会話は飲み会で向こうから話しかけてもらったし、ちょうどいいバディになりそうだと思っていた。「やりましょう」と二つ返事でOKをもらい、k8sにちなんだk*s会というものをはじめることになった。

k*s会 (2020/12 ~ 2021/3)

こうしてk*s会が発足した。気合を入れすぎずマイペースにk8s勉強していきましょうという会。Udemyの講座をやって学んだことやわからないことを共有したりしていた。Udemyの講座はかなりわかりやすかった。ただ座学的な講座だからなのか段々と退屈さを感じるようになってきて、他の教材に手を出したりもした。ひとつの教材をやりきらずあれこれ手を出すのはよくない兆候として広く知られている。

このあたりを消化したくらいで段々と進捗が悪くなってきた。「必要に迫られてないからあんまモチベわかないよね」ということで、いやそもそもそうなって進まなくなるのを防ぐために一緒にやってるんじゃないのかというのはさておき、なんか学習することで面白いことができないかというのを模索してみたけどあんまり良い案が浮かばない。

目的を探す状態になって雑談しているうちに「そういやGoをちゃんと学んだことないよね」という話になり、活路を見出してしまったぼくたちは易きに流れ、いったんk8sの学習はやめちゃおうということになった。そしてk*s会はG0会として生まれ変わった。

G0会 (2021/3 ~ 2021/4)

なんか雰囲気で読み書きしてたGoを今こそちゃんと学ぼうぜ、並行処理もちゃんと理解ってこうぜ、そしてツールでも作ろうぜ、という趣旨の会であり、例によってゆるりとやりましょうの会。持ち前のゆるさを存分に発揮することができて、特に何か進捗があるわけではなく雑談タイムと化すのに時間はかからなかった。

一応「ロック機構を提供するCLIツール」みたいなそれっぽいアイディアや、「一文字だけ出力するコマンドを最初に書いて、それを使って無限にブートストラップする」みたいなしょうもないアイディアが出たりもした。

しかし前日のアドベントカレンダーの記事にもあったtakolabelはこの時期に生まれていることを考えると、この会にもそれなりの意義があったと言える。ぼくもtakolabelのcontributorを名乗っていいですか。

G0会で雑談をしているとだんだんとお悩み相談的な内容が増えてきた。悩み多きお年頃のぼくらに必要なのはこれだと、G0会をやめてTRP会という次のステージに進むことにした。

TRP会 (2021/4 ~ 2021/11)

TPR会は「Therapy(セラピー)会」のことで、ようするにお悩み相談室的な色が強い雑談タイム。Kubernetesからセラピー…ずいぶん遠いところまで来た。

このころのぼくらはスランプだった。どこかやる気がわかないというか、仕事や学習のモチベーションが低下したり、下火感があったり、オラつきがなかったり、languishingであったり、実際に体調が悪かったりした。見返してみると「ぼくらって思春期なんですかね?」という謎のログも残っていた。

ふたりでそういうことを吐露しあっていると、だんだんと上向きになっていってる感覚があった。「セラピー会とか名付けてるけどマジでなんか効いてそう」という実感があったからか、TRP会はぼくらの歴史でも一番長く続いた。

スランプから脱却するためにやれることはやってみようということであれこれ考えた。やっぱり規則正しい生活リズムが大事、つまりぼくらに必要なのは早寝早起きだったんだよという天啓を得て早鳥会というものをやることにした。

それとやっぱり運動も大事だろうということで、重い腰をあげて市民プールデビューを果たした。プールに行ったのは結局一度きりで、他の運動も一切しなかったので運動の効果を確かめることはできなかったけど、きっとやりさえすれば効果あるんだろうなとは思ってる。やりさえすれば。

そしてこのTPR会で雑談しているなかで、ふたりでISUCON11にでましょうという話になった。ISUCON11については以下の記事に詳しく書いたので興味があればどうぞ。

「渇き」が共通言語として定着しつつあったのでチーム名にも採用している。やっぱ”渇いて”、“渇望して”いきたいということをこのころはよく話していた。

ISUCON11は予選こそ突破できなかったものの思っていたよりはやれたな〜という感じで、率直に自己肯定感が上がったような気がする。イベントそのものも楽しかったし参加して本当に良かった。

その後はプライベートが忙しかったりでまた疲労が溜まっていたのか、再び下火になっていった。しかしトミーさんはというと、この時期はやる気に満ちてオラオラ感があったようだ。バンクーバーに行きたいと発言していたことからもオラつき具合がわかる。

そんななか”やりたくないことやってる暇はねぇというフレーズにやられちゃったんですよ〜という話をしたら、じゃあ今後は「やりたいことやるコンソーシアム」でYYC会としてやっていきましょうという提案があった。かくして長いTRP時代は終わり、ネクストジェネレーションに突入する。

早鳥会 (2021/5 ~ 2021/6)

TRP会と並行でやっていた早起きして朝活する会。早鳥というのは “The early bird catches the worm” から来ている。早起きといっても8時だったので「ナメるなよ」と思われる方もいるかもしれない。

やっぱ生活リズム・ルーティンが大事だよなと息巻いてはじめたはいいものの、ちゃんと起きれたのは最初の1~2週間くらいだけでしだいに起きれなくなり自然消滅。

あらためてダメさ具合が浮き彫りになった会。そもそもこれまでの人生において一度も早起きの習慣が身につくことはなかったのだから、帰納的に考えて早起きというものはできるはずがなかった。

YYC会 (2021/12 ~ 現在)

「やりたいことやるコンソーシアム」でYYC会。最終進化系という感じがする。

まずそもそも「やりたくないこと」「やりたいこと」が何なのかぼくらはまだわかっていなかった。今もわかっていない。そろそろわかりたいんだけど。

とりあえずブロックチェーンの話題を出してみた。でもブロックチェーンの何がやりたいのか、ブロックチェーンで何がやりたいのかはまだわからない。しかし話したおかげでトミーさんもWeb3に興味をもったようだし、これからはそういう会になっていくのかもしれない。そうやって「今やりたいことやれてるな〜」と思える状態になるのがこの会の目的でありぼくらの理想なのかもしれない。

まとめ

トミーさんとは1年にわたって色々やってきた。楽しかったし、癒しでもあったし、実際にあれこれいい方向に向かっているのを感じている。付き合ってもらって本当に感謝しかないです。また今後も奮い立ったり、易きに流れたり、渇いたりしていきましょう。

また1年後にアドベントカレンダーでご報告いたします。


明日の GMOペパボエンジニア Advent Calendar 2021@Fendo181 さんです!

© Akihito Ikeda - Last update 04.03.2024 00:58.